
『いまさら聞けない話シリーズ』では、統率者戦で遭遇するキーワード能力・処理・ルールの内、ややこしいものをピックアップしていくよ。
今回の話は『続唱』
2009年発売された『アラーラ再誕』で初登場したキーワード能力。
定義は以下の通り。
続唱/Cascadeは、「あなたがこの呪文を唱えたとき、あなたのライブラリーの一番上のカードを、点数で見たマナ・コストがその呪文より低い土地でないカードが追放されるまで追放する。あなたはそのカードをそのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。その後、これにより追放されたすべてのカードを、あなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。」を意味する。
当時のスタンダードでさえ、『続唱』の応酬で1ターン中に何枚もカードが飛び交う事態だった。

《徴兵されたワーム》『続唱』⇒
《血編み髪のエルフ》『続唱』⇒
《長毛のソクター》と展開したプレイヤーが《血編み髪のエルフ》で攻撃したら、対戦対手が
《瀝青破》『続唱』⇒
《血編み髪のエルフ》『続唱』⇒
《大渦の脈動》とめくって、
《瀝青破》で《長毛のソクター》、
《血編み髪のエルフ》で《血編み髪のエルフ》、
《大渦の脈動》で《徴兵されたワーム》を対処して、
戦場に何も残らなかったなんて笑えない逸話もあるね。
『アラーラの再誕』以後も、『プレインチェイス2012』『統率者2016』『モダンホライゾン』と特殊セットでたびたび再登場しているので、統率者戦で見かけることが多い。

《大渦の放浪者》って豪快で強力な統率者もいるからね~(+_+)

一方、《大渦を操る者、イドリス》があまり強くないのは、マナ・コストが大きい『続唱』カードでないとインパクトが薄いってのが理由だろうな。
『続唱』で迷うのは以下の2パターン
分割カードを『続唱』するとき
『アモンケット』以前は、分割カードの片方のマナ・コストが『続唱』カード以下なら『続唱』出来た上、引っ掛からなかったはずのマナ・コストが高い方の分割呪文を唱えることができた。

これは当時のルールでは、スタック上にない分割カードは、それぞれの半分に基づく2組の特性を同時に持つとされていたので、マナ・コストを2つ持っていたから。
分割カードを唱える場合、まず「どちらの側で唱えるか」を選択してから唱え始めるため、スタックに乗せさえすれば、マナ・コストの高い方を選択できてしまっていた。

《爆裂+破綻》の《破綻》を《断片無き工作員》《血編み髪のエルフ》が2~3ターン目に『続唱』してくる凶悪デッキが存在してたね。
その後、『アモンケット』で『余波』を持つ分割カードが登場し、複雑なルールを簡略化した結果、スタック上にない分割カードのマナ・コストは両方の分割カードの合計値となった。

分割カードを『続唱』するメリットはもうない?

低マナ域でも唱えられて『続唱』に引っ掛からないカードを採用したい時には便利だけどな。

『アモンケット』前にマジックから一時離れていたプレイヤーは気をつけよう!
マナ・コストの無いカードを『続唱』するとき
モダンプレイヤーには死せる生デッキ、レガシープレイヤーはBUG カスケードや超起源デッキでおなじみの動きだけど、その分初心者泣かせと言える。

なぜこんな動きが出来るかというと、マナ・コストの無いカードは「マナ・コストを支払うことなく唱える」などの代替コストで唱えることができるから。
これは、唱える手順を「マナ・コストを支払う」ことなく完了できるようになるためだ。

『続唱』の定義も「マナ・コストを支払うことなく唱える」だからOKってことだね。
とはいえ、本来なら何ターンも『待機』するはずの呪文をすぐ得られるなんてズルい( ̄▽ ̄)
さいごに

対戦相手が使う『続唱』は強いのに、自分で使う『続唱』は弱いんだよな~。

裏目った時の印象が大きいんだろうな。
ある程度デッキ構築で操作できるとはいえ、ランダム性が高い能力には変わらないからな。

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