今回のカジュアル統率者
『エルドレインの王権』収録のアンコモンかつ単色の伝説クリーチャーサイクルの黒。

同じく『エルドレインの王権』収録の《ロークスワインの元首、アヤーラ》と色も能力(誘発型能力と起動型能力1つずつ)も似ているね。
デッキ内容同じにならない?

確かに似ているが、統率者を活かそうと考えると《厳格な者、コンラッド卿》の方がデッキバランスの調整が難しいぞ。

何で?

それはね・・・
コンラッド卿のデッキバランスが難しい3つの理由
誘発型能力がドレインかダメージの違い
《ロークスワインの元首、アヤーラ》はドレインなので、黒クリーチャー・トークン生成カードを採用するだけで、攻撃しつつライフアドバンテージが取れる。
一方、《厳格な者、コンラッド卿》はダメージなので、ライフアドバンテージまで得ようとすると、別途『絆魂』付与やアリストクラッツ系クリーチャーを採用する必要が出てくる。

ライフアドバンテージ諦めればいいんじゃない?

《死者の神、エレボス》《ネクロポーテンス》《ファイレクシアの闘技場》など、黒はライフをリソースにするカードが多いから、なるべくなら採用したいな。
誘発型能力の誘発条件の違い

これは《厳格な者、コンラッド卿》の方が有利じゃない?
《ロークスワインの元首、アヤーラ》が黒クリーチャーのETB誘発だけなのに対して、《厳格な者、コンラッド卿》は
- 他のクリーチャーが1体死亡する
- クリーチャー・カードが1枚戦場以外の領域から墓地に置かれる
- クリーチャー・カードが1枚あなたの墓地を離れる
って3つも誘発条件があるんだよ?

確かに色んな誘発条件があるように見えるけど、実際には《厳格な者、コンラッド卿》の誘発条件はこれらのカードでほぼ封殺されてしまう。

墓地に置かれることを他に置換してしまうカードか~!

ETB対策カードは使用プレイヤーも巻き込むから統率者戦での採用率が低い一方、墓地対策カードは墓地利用の統率者デッキが多いので採用率が高く、意外と苦戦するぞ。
ライブラリー破壊できる黒カードがほとんどない
《厳格な者、コンラッド卿》以外で対戦相手のライブラリー破壊出来る黒カードがほとんどないので、ライブラリー破壊はアーティファクトに頼ることになる。

黒はライブラリー破壊より手札破壊の方が得意だから、《厳格な者、コンラッド卿》の誘発型能力を狙うなら手札破壊カードも採用したいね。

さらに《厳格な者、コンラッド卿》自身がパワー5で装備品補正すれば3パンで統率者ダメージ21点も狙える・・・なんて考えると、採用したいカードがどんどん増えてしまうんだ。

贅沢な悩みだねぇ。
他フォーマットで例えると、
- 《ロークスワインの元首、アヤーラ》デッキは役割が近いカードばかりで4枚積みデッキ
- 《厳格な者、コンラッド卿》デッキはカードの役割を散らしたコントロールデッキ
に近い構築になる。

結果として、序盤では引きムラが起きやすい一方、長期戦・消耗戦に強いデッキになった。
デッキ内容
カード名が青色アンダーラインなのは、《厳格な者、コンラッド卿》の誘発型能力を誘発する可能性があるカード。
カード名が太字なのは、本デッキのキーカード。
【統率者 1枚】
1 《厳格な者、コンラッド卿/Syr Konrad, the Grim》
【クリーチャー 18枚】
1 《よじれた嫌悪者/Twisted Abomination》
1 《疫病造り師/Plaguecrafter》
1 《精神を刻むもの/Mindslicer》
1 《サディストの催眠術師/Sadistic Hypnotist》
1 《囁く者、シェオルドレッド/Sheoldred, Whispering One》
1 《スランの医師、ヨーグモス/Yawgmoth, Thran Physician》
1 《墓所這い/Gravecrawler》
1 《練達の育種師、エンドレク・サール/Endrek Sahr, Master Breeder》
1 《死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead》
1 《戦慄の存在/Dread Presence》
1 《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat》
1 《墓所の怪異/Crypt Ghast》
1 《墓所のタイタン/Grave Titan》
1 《陰鬱の始源体/Sepulchral Primordial》
1 《センギアの従臣/Sengir Autocrat》
1 《絞墓の群衆/Noosegraf Mob》
1 《蛇術師/Ophiomancer》
1 《異端の癒し手、リリアナ/Liliana, Heretical Healer》
【インスタント 1枚】
1 《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
【ソーサリー 11枚】
1 《往時軍の覚醒/Awaken the Erstwhile》
1 《苦痛の命令/Decree of Pain》
1 《全ては塵/All Is Dust》
1 《滅び/Damnation》
1 《毒の濁流/Toxic Deluge》
1 《ヤヘンニの巧技/Yahenni’s Expertise》
1 《苦境のぬかるみ/Mire in Misery》
1 《再活性/Reanimate》
1 《真冬/Dead of Winter》
1 《悪魔の教示者/Demonic Tutor》
1 《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》
【アーティファクト 22枚】
1 《エレボスの鞭/Whip of Erebos》
1 《群の祭壇/Altar of the Brood》
1 《催眠の宝珠/Mesmeric Orb》
1 《精神クランク/Mindcrank》
1 《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind》
1 《スランの発電機/Thran Dynamo》
1 《魔学コンパス/Thaumatic Compass》
1 《探検の地図/Expedition Map》
1 《旅人のガラクタ/Wayfarer’s Bauble》
1 《魔力の墓所/Mana Crypt》
1 《太陽の指輪/Sol Ring》
1 《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
1 《精神石/Mind Stone》
1 《思考の器/Thought Vessel》
1 《魔力の篭手/Gauntlet of Power》
1 《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
1 《かごの中の太陽/Caged Sun》
1 《頭蓋骨絞め/Skullclamp》
1 《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
1 《危険な櫃/Perilous Vault》
1 《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》
1 《アシュノッドの供犠台/Ashnod’s Altar》
【エンチャント 8枚】
1 《Chains of Mephistopheles》
1 《無慈悲/No Mercy》
1 《動く死体/Animate Dead》
1 《エレボスの指図/Dictate of Erebos》
1 《リリアナの誓い/Oath of Liliana》
1 《ネクロポーテンス/Necropotence》
1 《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》
1 《ネクロマンシー/Necromancy》
【プレインズウォーカー 4枚】
1 《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
1 《戦慄衆の将軍、リリアナ/Liliana, Dreadhorde General》
1 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
1 《闇の領域のリリアナ/Liliana of the Dark Realms》
【土地 35枚】
1 《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
1 《湿地の干潟/Marsh Flats》
1 《死者の原野/Field of the Dead》
1 《発明博覧会/Inventors’ Fair》
1 《聖遺の塔/Reliquary Tower》
1 《ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower》
1 《露天鉱床/Strip Mine》
1 《汚染された三角州/Polluted Delta》
1 《占術の岩床/Scrying Sheets》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
1 《古えの墳墓/Ancient Tomb》
1 《陰謀団の貴重品室/Cabal Coffers》
1 《統率の灯台/Command Beacon》
1 《無限地帯/Myriad Landscape》
1 《ガイアー岬の療養所/Geier Reach Sanitarium》
1 《孤立した監視塔/Isolated Watchtower》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
18 《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》
本デッキの勝ち筋
追加ドローとマナ・アーティファクトによるマナ加速を優先する

《ロークスワインの元首、アヤーラ》と同じだね。
基本的に黒単は序盤のマナ加速に難があるのでアドバンテージ差をつけられないように注意!ってことでしょ?

そうなんだけど、
- 序盤の引きムラが起きやすい
- 《厳格な者、コンラッド卿》自体がマナフラッド受けできる
ことを考慮すると、《ロークスワインの元首、アヤーラ》よりも追加ドローやマナ加速が重要といえる。
全体除去、手札破壊で消耗戦に持ち込む
序盤~中盤でアドバンテージを取りにくいので、全体除去や手札破壊でアド差を縮め、消耗戦に引きずりこむ。
《厳格な者、コンラッド卿》で無双する
後半になれば、潤沢なマナで《厳格な者、コンラッド卿》の起動型能力を何度も起動しダメージを与えつつ、リアニメイトカードも活かせる。
本デッキのキーカード
『テーロス』収録の伝説アーティファクト・エンチャント。
自軍全体に『絆魂』付与する常在型能力と、自分の墓地のクリーチャーをリアニメイトする起動型能力を持つ。

どちらの能力も《厳格な者、コンラッド卿》に噛み合っているね。

役割が違うカードを多く採用するせいでスロットを圧迫しがちなので、2つの役割を担える《エレボスの鞭》は貴重だぞ。
さいごに

《厳格な者、コンラッド卿》を活かそうとすると、消耗戦に持ち込む前に対戦相手に走られてしまうことが多く、なかなか勝ちきれない印象かな。

あまりに多いカード選択をどうするか、プレイヤーの腕の見せ所だね。
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