今回の話は《クローン》系クリーチャー
《クローン》は『アンリミテッド・エディション』から存在する、戦場の任意のクリーチャーのコピーとして戦場に出るクリーチャー。
直観的にイメージしやすいので亜種も沢山作られているけど、ルール上はかなり複雑。
早速ややこしいルールをピックアップして・・・
いや、ルールはここで各自確認してもらうとして・・・
なんでや(;゚Д゚)
定期的に亜種が収録されるからスタンダードプレイヤーも覚える機会が多く敢えてここで解説する必要性が薄いのと、
今回はルールではなく統率者戦における《クローン》系クリーチャーの流行りすたりについて考察したいんだ。
最近統率者戦で《クローン》系クリーチャーを見ない?
そういえば以前は青絡みの統率者デッキならほぼ採用していたけど、最近の統率者戦ではあまり見ないね。
なんでだろう?
結論から言うと「以前は100%コピーしたいクリーチャーが対戦相手のデッキに存在した」ってことだな。
んん?100%?
対戦相手のデッキに!?
どういうこと??
それは、《クローン》系クリーチャーが流行っていた時期の採用理由を考えればわかる。
《クローン》系クリーチャーが流行っていた時期
マナコストが低い《クローン》系クリーチャーが登場
『新たなるファイレクシア』より前に登場した《クローン》系クリーチャーは、(同盟者しかコピーできない《ジュワーの多相の戦士》を除き)総じて4マナ以上とマナコストが高く使い勝手がイマイチだった。
しかし、
- 『新たなるファイレクシア』(発売日:2011年5月13日)で《ファイレクシアの変形者》
- 『基本セット2012』(発売日:2011年7月15日)で《幻影の像》
が立て続けに登場。
たった2~3マナでクリーチャーコピーが出来る様になってしまった。
『基本セット2014』より前のルールでは『対消滅』に悪用できた
かつて(『神河物語』登場時~『基本セット2014』登場前)のレジェンド・ルールならびにプレインズウォーカー(以下、PW)の唯一性ルールでは、「戦場に同名の伝説のパーマネントが2つ以上、あるいは同じPW・タイプのパーマネントが2つ以上ある場合、それらをすべて墓地に置く」ことになっていた。
これを『対消滅』と呼んでいた。
そのせいで、伝説クリーチャーである統率者が呪禁・被覆・破壊不能を持っていても《幻影の像》《ファイレクシアの変形者》で簡単に『対消滅』してしまうことができていた。
青なのに黒の布告系カードみたい。
実際にはもっと凶悪だった。
布告系カードならば、複数体クリーチャーをコントロールしていれば、一番不要なクリーチャーを身代わりにできる。
一方、《クローン》系クリーチャーは対象を取っていないにも関わらず統率者をピンポイントで『対消滅』できたからな。
コピーしがいのあるクリーチャーが多かった
『対消滅』以外にも、コピーしがいのある強力なクリーチャーが当時は多かった。
具体的には以下の3体。
- 『基本セット2011』(発売日:2010年7月16日)の《原初のタイタン》
- 『ミラディン包囲戦』(発売日:2011年2月4日)の《聖別されたスフィンクス》
- 『ギルド門侵犯』(発売日:2013年2月1日)の《森林の始源体》
- マナコストが低い《クローン》系クリーチャーが登場
- 『基本セット2014』より前のルールでは『対消滅』に悪用できた
- コピーしがいのあるクリーチャーが多かった
が揃っていた『新たなるファイレクシア』(発売日:2011年5月13日)~『基本セット2014』(発売日:2013年7月19日)発売前までの2年間が、最も《クローン》系クリーチャーが流行っていた時期だろう。
《クローン》系クリーチャーがすたれた理由
ほとんど流行った理由の裏返しだけど・・・
『対消滅』に使えなくなった
青なのに黒の布告効果みたいなプレイを低マナで出来てしまうのを開発陣も快く思わなかったため、『基本セット2014』(発売日:2013年7月19日)から「レジェンド・ルール」の変更が行われた。
以降、《クローン》系クリーチャーを『対消滅』に利用できなくなってしまった。
統率者除去スロットをちゃんと用意しなければならず、スロットに余裕がないデッキは《クローン》系クリーチャーを削らざるを得なくなった。
《原初のタイタン》《森林の始源体》が禁止になった
《原初のタイタン》《森林の始源体》は強力すぎて、2体を使用・コピーできない固有色の統率者が否定される事態になっていたため、それぞれ2012年9月20日、2014年2月2日に相次いで禁止カード入りした。
《聖別されたスフィンクス》が禁止にならなかったのは、ETB能力ではないから仕事させずに除去できる可能性が高いからだね。
強力なPWが増えた
『統率者2014』(発売日:2014年11月7日)で統率者に指定できるPWが登場した上、『灯争大戦』でPWが急激に増えたため、デッキ構築の際にPW対策スロットも考慮する必要が出てきた。
PWは『対消滅』ルール撤廃で恩恵を受けたし、たとえ《賢いなりすまし》《灯の分身》でコピーしても根本対策にならないもんね。
勝利手段に絡まない
《目覚ましヒバリ》に対する《影武者》、《塩水の精霊》に対する《ヴェズーヴァの多相の戦士》といったコンボパーツならともかく、ただコピーするだけではカードの水増し、もしくはリアクションでしかない。
しかもコピーするだけなら、コピー・トークンを生成するカードの方が”大量に・毎ターン”生成しやすくコンボもしやすいので、《クローン》系クリーチャーを採用する意味がますます薄れてしまう。
以上の結果、除去にも使えず不確定要素が多い《クローン》系クリーチャーをあえて採用するメリットがほとんどなくなってしまった。
さいごに
- 2010/7/16『基本セット2011』発売
《原初のタイタン》登場
- 2011/2/4『ミラディン包囲戦』発売
《聖別されたスフィンクス》登場
- 2011/5/13『新たなるファイレクシア』発売
《ファイレクシアの変形者》登場
- 2011/7/15『基本セット2012』発売
《幻影の影》登場
- 2012/9/20統率者戦 禁止制限告知
《原初のタイタン》禁止
- 2013/2/1『ギルド門侵犯』発売
《森林の始原体》登場
- 2013/7/19『基本セット2014』発売
「レジェンド・ルール」変更で『対消滅』不可に
- 2014/2/2統率者戦 禁止制限告知
《森林の始原体》禁止
《クローン》系クリーチャーが使い勝手悪くなった経緯はわかったよ。
でも、あえて《クローン》系クリーチャーを採用するならどんな場合かな?
コピー以外に明確な役割(テーマ・部族)がある場合かな。
例えば、
- 《ファイレクシアの変形者》はアーティファクトテーマ
- 《逆嶋の学徒》は忍者部族
- 《なりすましの壁》は壁部族
でそれぞれ採用しやすい。
また墓地肥やしするデッキなら《擬態の原形質》《影武者》《多面相の侍臣》は活用しやすいな。
いっそ《クローン》部族デッキで全部採用して、他力本願しまくるのも楽しいかもね♪
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